にゃんことわんこ

「え?俺夢に何か教えたっけ?」



「教えてもらったよー。
ほらあれ、欲望の押さえ方」



欲望の押さえ方~!?



相変わらず何考えてんだこの人。



っつか欲望って俺に対する?



「夢……それについてアドバイスした記憶はないんだが」



「大丈夫。
翔ちゃん観察して『独り言』と『自分の世界に入る』って言うのを発見したの」



……突っ込みどころ満載すぎでどこを突っ込めばいいかわからん。



とりあえず、この2人は無視して教室に行こう。



少しずつ注目を浴びる2人から遠ざかる。



言い争いに夢中な彼らに気づかれることなく玄関までたどり着いた。



そこで一度だけ振り返ると、ようやく俺がいなくなったことに気づいたのか2人してキョロキョロ周りを見渡している。



その姿が可笑しくて少し吹き出してしまった。



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