にゃんことわんこ

「けど藤、
まじでそんなに困ってんのか?」



「まあ」



困る困らないって問題ももはや問題ではなくなってきたな。



当たり前になってきたし。



慣れって怖え。



「へえ……」



草汰は一瞬黙り込み、考えように外をたがすぐに俺を見た。



「好きなやつがいるって言えば?」



あっさりとした口調で言う。



「そうすれば、諦めるんじゃねー?」



単純な草汰の発想に思わずなるほど、っと思ってしまった。



考えたこともなかった。



そうか、
そんな手もありだな。



けど……



「そんなこと言ったら先輩傷つくだろうな」



ぼんやりと呟いてしまった。



そんな何気ない一言を草汰は聞き逃さなかった。



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