恋愛クリニック部【修正中】
「何考えてんの?」
俺はできるだけ、さりげなく訊ねてみた…つもりだった。
でもミノルは何も答えずに空を見上げていた。
「……ミノル?」
何を考えているのかわからず、顔をじっと見ていたら、突然瞬きをも忘れたミノルの目からスーッと涙が流れ、頬を濡らした。
「ミノル?!どうしたんだよ?」
こんなのいつものミノルじゃない。
いつものミノルは…
もっと明るくて、眩しいくらいの笑顔で、何があっても動じない広い心を持っていて…とにかく簡単に泣くような奴じゃない。
「何があったんだよ?!」
必死の問いかけにやっと意識をこちらに向けたミノルが放った一言目は
「何が?」
だった。
泣いていることに気づいていないのか、ミノルはキョトンとした顔つきでこちらを見ている。
「だから、顔…」
俺がそう言ってから手を頬に当てるミノルは、その時初めて泣いていたことに気づいたようだった。
ちなみに
「…えっ?なんで?!」
これが二言目だった。
男勝りなミノルだけど、所々、天然で…可愛いと思うときもあったり…なかったり……。