恋愛クリニック部【修正中】

「あ〜…そういえばさっき、おばちゃん見かけたよ?」


話をすり替えられた。
聞かれたくないことなのだろうか。


ならば、聞かずにいるのが親友…だよな。



少し心がモヤっとしたが、本人が望んでないことはしてはいけない。


それがマナーだ。



「今朝、スーパーの広告見てたから、スーパー行ったんじゃないかな?」

確か、今日は卵が安い日で、指をポキポキ鳴らしていた気がする。



「あはは!戦闘モードだねぇ」


ケタケタと笑いまくるミノルは泣いていたのが嘘のようだった。




…そういえば、俺はミノルの家族を知らない。


ミノルの家に遊びに行っても、誰とも会わないし。
ミノルの口から家族の話もでない。



「なぁ〜?」

「ん?」

「ミノルの家族ってどんなの?」

「……………。」





ミノルは再び空を見上げて、何も言わなかった。


やってしまった。




言いたくないことは聞かない。
それがマナーだったのに…




この重い空気を何とかしたくて、俺の頭の中は昨日見たテレビの内容やクラスメイトのバカ話をできる限り思い浮かべ、中でもかなり笑える話を探した。
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