恋愛クリニック部【修正中】
ひとまず海へと戻ると、美鈴先輩や中井先輩、山田先輩、双葉先輩は4人でスイカ割りを楽しんでいた。
「右っ!!もっと右右!!」
「あ〜行き過ぎたぁ!!」
という声が遠く離れていても聞こえてきた。
その声を聞いて、隣にいる人物――部長が奇声を発しながら、人間離れした有り得ない速さで先輩方への元へと走っていった。
「ぉぉぉおおお前らぁぁぁぁ!なぁにやってんだコラぁぁぁ!!」
「ぶっ!部長!!!」
怒り狂った部長の姿に圧倒された先輩たちは、小さな子供のように海辺をキャアキャアと走り回っていた。
部長は
「待てぇぇぇぇぇ!!」
と般若のような形相をして、走り回る先輩たちを必死になって追いかけている。
必死の鬼ごっこを始めて数分、一番に体力尽きたのは
……部長だった。
砂の上に大の字で倒れこみ、ハァハァと肩で息を繰り返す。
「部長…なんでそんなに怒ってんすか?」
中井が遠くから叫ぶ。
近くにいたら何をされるかわからないからだろう。
体力が尽きてもなお、部長の目は死んでいなかった。