恋愛クリニック部【修正中】


「青木先輩、ちょっといいですか?」


双葉先輩が落ち着き、家に帰ってから、私は一人、部屋に閉じこもる青木先輩を誘った。


「双葉のことなら、話すことは何もない」


ドア先でそんな風にあしらわれても引きたくなかった。

いや、引き下がっちゃいけないんだ。


「双葉先輩、泣いてました。青木先輩のことが好きだから泣いていました。
先輩は平気なんですか?」



青木先輩は我慢するかのように唇を噛み締め、声を絞り出すように呟いた。


「……平気なわけ…ないだろう…」


「じゃあ何で?!」


もどかしくてイライラする。平気じゃないなら早く、今すぐにでも双葉先輩の元へ行ってほしい。


「…朋。男も色々考えるところがあるんだ」


ドア先で騒いでいると、隣の部屋から宮城が出てきて、こちらに近付いてきた。


「…とりあえず、立ち話もアレなんで中に入れてください」


宮城?なんかいつもの宮城じゃないように冷たい。


「どうぞ」


宮城のいつもとは違う冷たさを感じ取ったのだろうか。



青木先輩も少しビックリしながらも宮城の言うことに従い、ドアを大きく開けてくれた。
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