恋愛クリニック部【修正中】
恐る恐る中を伺いながら部室に入ってくる彼女は、あまりお近付きになりたくないクラスメートだった。
彼女はキョロキョロと部屋を見渡して、私の姿を確認するや否や、すっ飛んできた。
「高畑さんってこの部だったんだぁ……じゃん」
とキャピキャピという音が似合いそうな笑顔で話しかけてきた。
「…いやぁ…好きで入部したわけじゃないんだけど」
むしろ強制参加?
「よかったぁ。ここ初めてだから、変なとこだったらどうしようかと思ってたんだ……じゃね?」
キャピキャピじゃなくてブリブリかもしれない。
この子は語尾にアホのように“じゃん”を付けたがる。
しかも疑問系なら語尾に“じゃね?”をアホみたいにつける。
なんでも、都会に憧れてるとか…
だから、どんなに不自然極まりなくても“じゃん”をつけるんだと友人が話していたのを思い出した。
それにしても…この子だけは、この部には無縁だと思っていたのに……。
「朋さん?お知り合いですか??」
私たちの会話を聞いて部長が訊ねてくる。
「あっ!はい。この子はクラスメートで…」
と名前を言いかけたとき、部屋の片隅にいたメガネが光った。