恋愛クリニック部【修正中】
「…お会計は680円になります」
レジを打ちながら手馴れたように仕事をする林君は本当に立派だと思う。
私は、財布から小銭を取り出し700円を支払った。
「…あのさ……」
彼女にバイトしてること言いなよ。
そう言うつもりだった。
だが、私の言葉は林君の声で消えてしまった。
「……あいつには言うなよ」
「はっ?」
20円のおつりを手渡しながら、林君は言葉を続ける。
「…だから、ノリには言うなって言ってんの」
ノリ……
はて??ノリって誰ですか??
「岡部典子…」
多分私の顔に思いっきりハテナマークが出ていたんだろう。
林君はわざわざフルネームで彼女の名前を口に出す。
「何で??
あんなにラブラブなのにバイトしてること教えてないの?そんなの変だよ?」
そう、彼らはバカとつくほどのカップルだ。
それを忘れちゃいけない。