恋愛クリニック部【修正中】


慌てて通話ボタンを押す。

「もしもし?」

「もしもし??私〜」

眠たそうな声が受話器越しに聞こえる。



「もうお昼なのにまだ寝てたの?!」


こんなことなら友人の部屋に行って起こしてくればよかった。


「…これからも寝る予定ですよ〜。
じゃ、約束どおり電話したから。じゃあね」


友人はそう言うと勝手に電話を切り、ツーツーという音だけが虚しく耳に聞こえた。


もっと、行けなくなりましたよ的なセリフとか言ってくれなきゃ、私も演技できないでしょーが!!!



半ば呆れたようなため息を吐くと、彼が背後から話しかけてきた。


「…友達、まだ寝てんの?」


声だけで判断するに…彼が少し怒ってるような気がする。



「…あ。えぇ…今日はもうやめようって。」


振り向いて、笑顔を作るが本当に笑顔かは彼のみが知る…。



「なんだそれ」


うんうん。
普通、こんな友達いたら嫌だよね。私、友達やめてるかもしれない。


…けど、コレは架空の友達だから怒りは沸いてこないわけで、逆に彼に対して悪いなぁ〜って思ってたりもする。
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