恋愛クリニック部【修正中】
彼は深く溜息を吐くと、
「槙田さ、そんな奴の言うことなんて聞くことないと思うよ??」
と真っ直ぐ私を見て言った。
…もしかして、怒ってるんじゃなくて、私の心配してくれてる?
「まっ。ダブルデートがないなら、気が楽になったけどな。
俺、実はすっげー緊張してたの」
歯を出して笑う彼は、まさに爽やかボーイ!!
その笑顔にまた…私は悩殺される。
……本当に諦められるのかしら?
「じゃ、俺…寮に戻るわ」
うん、そうだね。
これから…2人で楽しいデートだね。
…ってエェェ?!帰っちゃうの??
なんで?
計画と違うじゃん!!
…あっ!!そうか!!
ダブルデート中止→彼の役も用なし→用済み→帰宅
ってことかぁ!!
私としたことが…ウッカリしてた!!
もう私に背を向け、歩き出す彼の背中に向かって、慌てて私は叫んでいた。
「まっ!待ってぇ!!!」
周りの人が一斉に振り向いたが、私が呼び止めたいのは見ず知らずのあなた達じゃなくって、ずっと見てきた彼だけ…彼だけなの。
「どした?」
驚いたように目を丸くする彼。