恋愛クリニック部【修正中】
ジンクス
――車椅子の乗る女性が私たちに気付いた。
「…ここの生徒さんですか?」
「はい」
なんだろう…。何だか、この2人に違和感を感じる。
どこかよそよそしいような…。
それにこの女性…なんだか壊れてしまいそうな、脆い印象を与える。
男性も…何か限界というか…緊張の糸がピーンと張ってあるような。
「アナタたちは??」
部長がいつもの笑顔で訊ね返すと、女性は黙ってしまい、代わりに男性が答えだした。
「俺たちは、ここの卒業生なんだ。
それで、急にこの桜が急に見たくなって…車を飛ばして来てしまいまいましたが、
……今日は卒業式だったんですね」
男性が部長や山田先輩の制服についている“卒業おめでとう”と書かれた花飾りを指差し微笑んだ。
「…桜ってことは…もしかして、ジンクスですか??」
山田先輩が珍しく興味ありげに話しかけた。
男性はジンクスという言葉に一瞬ビクッと肩を震わし反応した。
「…もしかして、まだあのジンクスは続いているのか??」
そして全員が桜の木を見上げたのだ。