恋愛クリニック部【修正中】
放課後…恋愛クリニック部の部室の前に立っていた。
部活に行かなきゃいけないのに…。
宮城もバスケ部だから、嫌でも顔を合わせてしまうだろう。
宮城から逃げたかったのかもしれない。
これ以上嫌われる前に全てをなかったことにしたかった。
部室の前でそんなことを考えていると、ギィ〜っとドアの開く音がした。
ドアを開けたのは部長さんだった。
「なんか気配がするなって思ったら、やっぱり。どうしたんですか?中に入ってくださいよ。」
柔らかい笑顔。何でも受け入れてくれそうな…そんな笑顔。
部長さんの顔を見ると、今まで、我慢していたものが溢れて止まらなかった。
「…部…長さ〜ん…うわぁ〜〜〜〜〜〜ん!!」
前を通り過ぎる人は好奇の眼で見ていた。だけど、気にはならない。
今は心に突き刺さった痛みを取るのに精一杯だったから。
この涙を止める術を私は知らない。
部長さんは何も言わず、私を抱き寄せ、頭を右手でポンポンと慰めてくれた。
それが温かくて、優しくて、傷口から沁み込んできた。
この人が部長の理由が少しだけわかったような気がした。