恋愛クリニック部【修正中】
「何してるの?…あっ!もしかして、あの子泣かしたのって君?」
少年を指差し、顔色を伺うように訪ねる。
「あいつ…やっぱり泣いてたんだ。」
「あ〜…泣いてたね。あれは確実に泣いてたね。かわいそうに…。」
泣いていたという確信はなかったが、大げさに話してしまうのは単なる興味本位だ。
だって大げさに言った方が、面白いことになるから。
これは美鈴が今まで生きてきて学んだことだった。
少年の顔は見る見る暗くなっていく。
「また…泣かせてしまった…。」
独り言を呟くかのように小さな声で話す少年。
いや、独り言だったのかもしれない。
「そんなに気になるなら追いかければ?」
少年の顔から後悔の念を感じた。だから後押しをしたくなった。
「俺には追いかける資格はないんです。」
「なんで??」
普通になんで?だ。
そんな顔するぐらいなら行けばいいじゃん。行って謝れば済む問題でしょ?
「だって絶対許してもらえないし。それに俺なんかが行ったところで…」
…少年と話して数分たっていた。
分かったことが1つある。
少年は、ネガティブ少年だった。