恋愛クリニック部【修正中】
【番外編1】SNOW LOVE
それはそれは、朋が入部して数日後…
部室には美鈴と朋の二人以外にはいなかった。
「美鈴先輩って今までどんな恋をしてきたんですか?」
美人はどんな恋愛をしてきたのだろうか?
好奇心で訊ねてみる。
目を閉じると、幸せそうに笑う美鈴先輩の姿が目に浮かぶ。
「ん〜…そうだなぁ。私の恋愛話なんて面白くないよ?」
が、そこには寂しそうに笑う先輩がいた。
「本当に…全然おもしろくないよ?」
そんな風に言いながら美鈴先輩は過去の恋愛について語りだした。
両手で包み込んだお茶が静かに震えていた。
━私の初恋っていうのは小学校の三年の時だった。
相手は近所に住む大学生のお兄さん。
近所で遊んでくれる人なんていなくて、ひとりぼっちで公園にいた私にお兄さんは優しく微笑みかけてくれた。
『大好き!』
何度も行った言葉。
お兄さんは笑って『ありがとう』と言ってくれた。
お兄さんが働きだした頃…私は中学生になった。
お兄さんは仕事、私は部活で私たちは会うことすらなくなっていった。