恋愛クリニック部【修正中】


辺りはもう暗くなっていて、寒くてヒリヒリとする赤い手をさすりながら、ただボーっとする頭で歩いていた。


ふと気付くとお兄さんとよく遊んだ公園にいた…

「懐かしいなぁ〜」


古びたブランコに乗りギコギコと音を立てて揺らしてみる。


「壊れちゃいそう。」

まるで私みたいだ。
何故かはわからないけど、そう感じた。




ポタ…
ポタ……




白い雪が手に触れては消えて水に変わる。


昔はよかった。


小学生の頃は顔なんて関係なくて、みんな仲良しで。
近所に住むお兄さんは優しいし。


あの頃はよかった。


「……美鈴ちゃん?」


そう。こんな感じに優しい声色。
穏やかになる心…


目の前に人の気配を感じ顔を上げると、見覚えのある顔がそこにはあった。


「やっぱり!美鈴ちゃんでしょ?
覚えてるかな?
俺、何年か前にここでよく遊んでた…」

「賢ちゃん…」

「そう!賢!
覚えてくれてたんだ」



昔と変わらない笑顔。


ちょっとくたびれたスーツにボサボサの髪。


「仕事帰りなんだ。
美鈴ちゃんは?塾?」

「うん。」


優しい笑顔のお兄さんに平気で嘘をつく。
そんな私が嫌になる
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