恋愛クリニック部【修正中】
━私は学校中から崇められていた。
だから全てが手にはいるような錯覚に陥っていたのだ。
…私が望めば賢ちゃんだって手に入る。
そう確信していた。
バカだった。
人の心なんて簡単には手に入らない。
手に入れたいと望めば望むほど、彼が手に入らないというもどかしさが私を縛り付けていた。
私はそんなもどかしさが苦しくなり、告白をしようとした。
…いつもの時間、ライトアップされた公園。
女なら、こんな最高のシチュエーションで告白されたら誰もが落ちるだろう。
私はひたすら賢ちゃんを待った。
今日から恋人になるのだと夢を見て…
「よっ!お待たへ〜♪」
いつものように犬っぽい笑顔にくたびれたスーツ。
少し乱れた髪。
「今日は美鈴におみやげ〜…」
ズボンに手を入れゴソゴソと何かを探っているようだった。
「あったあった」と頭をかきながら屈託のない笑顔を見せてくれる。
そんな賢ちゃんの笑顔に心がジュッと熱くなる。
握りしめられた手を目の前で広げられると、そこにはキラキラとネックレスが輝いていた。