恋愛クリニック部【修正中】
困った顔をして下を向く賢ちゃんに一歩二歩と近付き、下から覗き込むように見上げる。
その時、一年前と同じようなイルミネーション点灯した。
いきなりのまばゆい光に驚き、顔を上げる賢ちゃんの首に手を回し、無理やり唇を賢ちゃんの唇に当てつけた。
一瞬だった。でも確かに触れた。
生まれて初めてのキス。
テレビのように上手くはいかなかったけど、今晩ぐらいは私のことで頭がいっぱいになるだろう。
「じゃあね。賢ちゃん」
呆然と固まる賢ちゃんを見て、私は悪戯に微笑んで家に帰ったのだった。
━「それから賢ちゃんとは一度も会っていないわ。」
「美鈴先輩って大胆なんですね!」
美鈴先輩は少し寂しそうに笑った。
「それで、今、美鈴先輩は諦めることができたんですか?」
「それは………」
「っていうか嘘ですよね?」
間に入ってきたのは、いつの間にか部室に来ていた山田先輩だった。