Bad Man
扉が開かれたと同時にあたしは
手を引っ込め
携帯でメールをするフリをした。


入ってきたのは銀髪で両手に紙コップを持った
男の人だった。

その人は金髪の彼の横に座ると
彼の頭をバコンッと叩いた。


「痛ッ」

金髪君は叩かれた所を押さえながら
“何すんだよ”という目で彼を見ていた。

「ほら、コーシー」

「さんきゅ」

金髪は銀髪からコーヒーを受け取ると
チラッとあたしを見やった。

慌てたあたしは、彼から露骨に視線を外すと
携帯に視線を戻した。

< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop