キミノタメノアイノウタ
所詮、私は兄貴の身代わりでしかない。
なんて悲しいんだろう。
なんてバカなんだろう。
今まで必死になって守ってきたというのに。
いつだって私の世界の中心にあったのは。
この小さな町と。
……小さな家族だ。
他の人から見たらきっと滑稽だろう。
鼻で笑われるかもしれない。
それでも。
私はきっと死ぬまでこういう生き方しか出来ないんだろう。
今あるものに必死にしがみついて、離れないようにするしかない。
なんて小さな世界なんだろう。
私の生きられる世界はこの小さな田舎しかない。