キミノタメノアイノウタ

「恵じぃ、またスイカ食べてたの?いくら好きだからって食べ過ぎるとお腹壊すよ」

私は恵じぃの体調を気遣ってそう言うと、靴を脱いで家にあがった。

口の周りをスイカの汁まみれにしている恵じぃが涼しい顔をして答える。

「タツに病院に連れていかせるから良いんだよ」

茶目っ気たっぷりの恵じぃの発言に思わず笑みがこぼれる。

……ただし、タツが聞いたら怒りそうだが。

私はタツが帰ってくるまで居座ることを決め、恵じぃの勧めもあって居間でくつろぐことにした。

恵じぃは快く自分のスイカを分けてくれた。

勝手知ったる他人の家は居心地が良い。

恵じぃは私が上がりこんできたことをさして気にせず、テレビのワイドショーを見ていた。

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