キミノタメノアイノウタ
「おっ!!瑠菜じゃん。そんなに慌ててどうした?」
タツは空いている敷地の定位置に車を停めると、運転席の窓から顔を出した。
なんてタイミングが悪いんだろう。
「タツにCD借りようと思ってたんだけど、ご飯作りに帰るとこ」
そう答えるとタツは車から下りてきて、私の頭をポンと叩いた。
「そういうことはたまには奴らにやらせてみよーぜ」
意地悪く笑ったタツは携帯を取り出すと、電話を掛けた。
「あ、侑隆?昼飯お前らで何とかしろよ?瑠菜はこっちで食べるって。文句言うなよ?」
文句を言っているであろう兄貴の声を無視して通話を終了すると、タツはくくっと笑いをかみ殺して言った。