キミノタメノアイノウタ
私はこの雑誌によって初めて、客観的にazureという存在を確認したことになった。
決して、兄貴達を疑っていたわけじゃない。
灯吾の実力だって本物だと思う。
それでも、私の頭の中にいるのは。
アイスを買ってこいと命令する兄貴と。
海を見てはしゃぐ灯吾だった。
「ふ…ふふふ!!あははは!!」
私は雑誌を抱えながら大声で笑い出した。
おかしくてたまらなかった。
だって雑誌に載ってる写真のふたりはそれぞれ気取ったポーズで、オシャレな服を着ていたからだ。