キミノタメノアイノウタ
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「ねえ、これどういうこと?」
私は自分の家に到着するなり、頭が痛くなった。
わざわざ奏芽がタツの家まで迎えに来るなんて、ろくな事が起きていないとは思っていたけれど。
「ごめん、俺が悪い!!どうしてもって言われて、つい……」
奏芽が両手を合わせて、私に平謝りする。
……どうしてくれよう、この状況。
我が家の居間には憔悴しきっている灯吾に、楽しげに腕を腕を絡ませて話しかける千吏がいた。
灯吾はもう疲れきって、首を動かす力もなくただ揺り動かされるままになっていた。
怒涛の勢いで質問をぶつける様は、荒れ狂う波を思わせた。