キミノタメノアイノウタ
「ねえ灯吾さん!!灯吾さんの趣味ってなんですかー!?」
「ねえ灯吾さん!!赤とピンクどっちが好きー?」
「ねえ灯吾さん!!千吏はオムライス作るのが得意なの!!」
……ちょっと待て、千吏。
私は居ても立っても居られなくてつい尋ねた。
「千吏、あんたいつから真っ黒焦げのクッキー以外のものが作れるようになったの?」
自称イケメンハンターの千吏ちゃんは、ようやく私と奏芽が帰ってきたことに気づいたようだ。
「あっ、瑠菜」
「“あっ、瑠菜”じゃないよ…。離してあげなよ」
「折角のイケメンだったのに…」
千吏はそう言うとしぶしぶ灯吾から離れた。
灯吾はよほど長時間千吏に質問攻めにされていたのか、ふらりと畳みに倒れこむ。