キミノタメノアイノウタ
「千吏、あんたいつから家にいたの?」
「2時間くらい前かな?」
(うわー…)
私は心の中でそっと手を合わせて、灯吾を拝んだ。
(よくぞ、耐えた。その勇姿は忘れない)
……千吏はいつもこうやって男を落としているのだ。
奏芽は気を利かせて台所から濡れたタオルを持ってきて灯吾の額に置いてやった。
「奏芽!!なんで千吏連れてきたのよ!!」
千吏を灯吾に会わせたら、ターゲットになるって奏芽だって分かっていたはずだ。
「それがさあ…」
奏芽が何か言いかけた所で、千吏がその口を塞いだ。
「瑠菜!!」
千吏がふふふと笑う。
「花火やらない?」