キミノタメノアイノウタ
12
花火をした翌日、空はゴロゴロと不機嫌な音を鳴らしていた。
俺の快適な睡眠は大いに邪魔されて、まだ眠い目を擦って布団から起き上がる。
「ああ…今日は雨なのか…」
ピシピシとガラス戸に雨が打ちつけられている。
「すげえな…」
俺はあまりの迫力にガラス戸に手をつけ、息を呑んだ。
ビュービューと風が吹いていて、時折どこからか小さな木の枝や葉っぱが飛んでいく。
かと思えば鳥が風に逆らいながらも飛んでいたりして、自然の脅威にさらされながらも懸命に生きているのが分かる。
「腹…減ったな…」
俺も本能の従うままに台所に向かった。