キミノタメノアイノウタ
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「うわ…雨かよ…」
俺は学校の昇降口で立ち尽くしていた。
3月の始め。まだまだ大気の状態が不安定な今日この頃。
朝方降っていた雪は昼になって冷たい雨に変わっていた。
温暖化が叫ばれている昨今はこの時期に雪が降るのは珍しいことではあった。
(最悪…)
心の中で悪態をつきながら傘を開く。
……雨なんか大嫌いだ。
体は濡れるし、寒いし。雪より質が悪い。
ましてや目の前のけっこうな土砂降りは足取りを鈍らせる。
それでもこのままいつまでも学校にいるわけにはいかない。
俺は仕方なく茶色に濁った地面を踏みしめたのだった。