キミノタメノアイノウタ

「お客様、コーヒーのおかわりはいかがですか?」

小説は中盤に差し掛かっている所だった。

見上げると先ほどの茶髪の兄ちゃんが無表情で立っていた。

俺は店内の壁掛け時計を見た。

そろそろ店内も混んでいる。

体よく退店を催促しているのだろう。

俺は付箋をして本を閉じた。

「もう出ますから。大丈夫です」

会計を済ませて店から出ると、雨は丁度良く止んでいた。

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