キミノタメノアイノウタ
カツンカツンと傘の先端がコンクリートの地面を叩いていく。
いつも帰り道になると思う。
(ホントにバカだろう、俺)
自分でもそう思っているのに。わかっているのに。
……どうしてか俺の足は自然と駅前に向かってしまう。
カツンカツンとまた傘が鳴る。
……きっと二度と会うことなんてない。
でも…今日はいるかもしれない。
そんな風に心はせめぎあいながら今日も駅へと向かう。
あの雪の日から新しい習慣が加わっていた。