キミノタメノアイノウタ
(マジかよっ!!)
再び降り出した雨は昼間とは比べ物にならなかった。
持っていた傘は役に立たず、肩もカバンもびしょぬれになった。
通りを歩く人はビシャビシャと靴で雨を弾きながら足早に去っていく。
俺もそれに倣って通りを走るが、どう考えても手遅れだ。
……極めつけに雷まで鳴ってやがる。
空はゴロゴロと唸り、相当機嫌が悪い。
多分、このごろテレビを騒がせている局地的な大雨だと思う。
(今日は運がない)
……こんなことなら駅前なんて寄らずにさっさと帰ればよかった。
ここから家まで歩いて20分。
濡れて帰るなんてまっぴらごめんだった。
俺はその辺のコンビニに駆け込んだ。