キミノタメノアイノウタ

「そうは言ってもなあ」

ハルは本当に困っていた。

まさかこんなことを言い出すなんて考えていなかったのだろう。

「ほら、俺の言ったとおりになっただろ?」

ひょっこり現れた侑隆の声が俺とハルを更に驚かせる。

侑隆は珍しくギターを背負っていた。

(うわ……)

どうやらこっそり話を聞かれていたようだ。

「侑隆どうしよう!!」

ハルは返答に迷った挙句に侑隆に泣きついた。

「あとで困るのはお前だって言ったじゃん」

「でも!!」

「俺、知らないから」

悪魔のごとく意地悪く笑う。


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