キミノタメノアイノウタ
「本当に良いのか?」
……最後の意志確認のようだ。
「もう戻れないぞ」
……なあ、ハル。
心配しなくても俺は大丈夫だ。
「良いよ。もう決めたんだ」
ハルは何を言っても無駄なんだとようやく悟ったようだ。
「この歌…きっと灯吾にも歌える」
ハルが手を差し伸べる。
「さあ、行こう」
階段を一歩ずつ上る。
上りきった先にあったのは金属製のドア。
その向こう側からは色んな音がした。
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