キミノタメノアイノウタ
「俺達もなんか買ってくか」
私はカラコロと下駄を鳴らしながら奏芽の隣に並んだ。
「そうだね。丁度小腹も空いてるし…」
「なににする?」
「う~ん…」
並んでいる屋台をひとつずつ見ていく。目についたのはたこ焼きの屋台だった。
「あれがいいな~」
ソースの焦げるいい匂いが食欲をそそる。
奏芽はケラケラと笑った。
「去年も買ってなかったっけ?」
「いいじゃん!!おいしいし!!」
ちょっと拗ねて言い返す。
2人で屋台に並んで順番を待つ。
こうしていると段々、色んなことを思い出してくるから不思議だ。