キミノタメノアイノウタ
歩きながら食べるなんて行儀が悪いけれど、今日は特別だ。
私も奏芽同様、たこ焼きにかぶりつく。
(うん!!おいしい!!)
その姿を見て奏芽がニヤニヤと笑う。
「浴衣に溢すなよ?」
「うーるーさーい!!」
私は奏芽の背中を思い切りはたいた。
私が小学1年生のときに浴衣にジュースを溢して大泣きしたことを言ってるのだ。
幼馴染みってこういうところが嫌になる。
何年も前のことをよく覚えているのだから。
……それは私も同じだけれど。