キミノタメノアイノウタ
「それにしても遅いね…あの2人…」
後ろを振り返ってみてもあの2人の影も形もない。
「千吏は携帯も持ってきているし、はぐれても落ち合えるだろ」
「それもそうか…」
カチカチと携帯をいじる奏芽を横目で眺める。
いつの間にかたこ焼きはしっかりとお腹の中に収まったようだ。
奏芽は千吏に落ち合う場所をメールすると、甚平のポケットに携帯をしまった。
「大分暗くなってきたな」
「そうだね」
辺りは既に暗闇に包まれている。
(晴れてよかった)
ここのところ、天気がぐずついていたから開催されるか心配していたのだ。