キミノタメノアイノウタ
「奏芽だって大笑いして助けてくれなかったくせに…!!」
「顔面からこけるなんて思わなかったからな」
肘鉄を食らってもなお、忍び笑いを漏らす奏芽の腕に絡みついてみせる。
「そうよね?あんたが足引っ掛けたんだもんね?」
ぎくんと奏芽の肩が揺れた。
「バレてたか…」
「当たり前でしょ!!このバーカ!!」
お返しとばかりにゲシゲシと足を蹴る。
するとその隙を狙われ、食べかけのたこ焼きを奪われてしまった。
「ちょっと!!」
「ご馳走様」
……こんなアホなやり取りをしていたらあっという間に会場についてしまった。