キミノタメノアイノウタ


裾を掴んでいた手からするりと力が抜ける。

その時、パーンと花火が打ちあがった。

一斉に歓声が上がる。

でも、私の耳には届かなかった。




奏芽が…いなくなる。




その事実が私を打ちのめしていた。

(夏が…)

……終わって行く。

私達が過ごした夏が。

……終わってしまう。

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