キミノタメノアイノウタ
15

「もっと…早く言うべきだった」

花火が打ち上がる度に、奏芽の顔が照らされる。

……全部、嘘ならいいのに。

そう願わずにはいられなかった。

花火みたいに一瞬の気の迷いだって思いたかった。

でも、奏芽の真剣な眼差しがそれを決して許さない。

誰もが喜びの悲鳴を上げているのに、私達の間に流れているのは沈黙だった。

「どう…して…?」

喉がカラカラに渇いて、声がかすれた。

どうして。

どうして。

他にも聞きたいことは山ほどあるというのに言葉に詰まった。

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