キミノタメノアイノウタ
でも、確かに私は思っていたのだ。
奏芽がここから出て行くはずがないと。
ずっと一緒にいられたらいいなって子供じみた感情も抱いていた。
……そんなことあるはずがないのに。
永遠を無邪気に信じられる年齢はとっくに超えていた。
18歳の私達は思慮分別もついて、現実の厳しさも知っている。
それでも……夢を見てしまう。
子供と大人の狭間をゆらりゆらりと漂いながら、まだ見ぬ明日に希望を見出す。
大人になるということが現実に縛られ続けるということなのならば。
……私は大人になんかなりたくない。
ずっとこのままがいい。
その考え自体が子供だということすら見て見ぬ振りをする。
現実なんて知りたくもなかった。