キミノタメノアイノウタ
「瑠菜ちゃん」
私に向けられたのはその一端だった。
「わしはな、あとはこの地で朽ち果てていくだけの命じゃ」
そんなこと言わないでと声を荒らげる。
恵じぃはいいんだよと、また笑う。
「でもな、瑠菜ちゃんや奏芽は違う。これから新芽のようにグングン成長していく」
水と光をたっぷりと浴びた新芽の成長は著しい。
そんな風になれるだろうか。
だって私はこんなにも恐れている。
恵じぃは私のそんな気持ちもお見通しだった。
「瑠菜ちゃんがこの町を好いてるのはわしが十分わかっとるよ。外に出てっても今度は誰も責めたりせん」
“今度は”の所にアクセントをつけて茶目っ気たっぷりに言う。