キミノタメノアイノウタ
「おっと…。迎えが来たようじゃな」
恵じぃがそう言うと、ザッザッと土を蹴る音と共に灯吾が現れた。
「瑠菜っ!!」
……さすが現役ミリオン歌手。
近所迷惑になりそうなほどの大声は私だけではなく、恵じぃも飛び上がらせた。
「お前なあ…!!突然走りだして言ったらびっくりするだろうが!!」
「ご…ごめん…」
予想もしないほど怒鳴られて身がすくむ。
灯吾はハアっと大きく息を吐いて、恵じぃに話しかけた。
「すいません、恵三さん。奏芽くんに連絡取れますか?俺、携帯持ってなくて…」
「ああ。電話しておくよ」
恵じぃは灯吾にもスイカを勧めたけど、灯吾は丁重に断った。