キミノタメノアイノウタ

「おっと…。迎えが来たようじゃな」

恵じぃがそう言うと、ザッザッと土を蹴る音と共に灯吾が現れた。

「瑠菜っ!!」

……さすが現役ミリオン歌手。

近所迷惑になりそうなほどの大声は私だけではなく、恵じぃも飛び上がらせた。

「お前なあ…!!突然走りだして言ったらびっくりするだろうが!!」

「ご…ごめん…」

予想もしないほど怒鳴られて身がすくむ。

灯吾はハアっと大きく息を吐いて、恵じぃに話しかけた。

「すいません、恵三さん。奏芽くんに連絡取れますか?俺、携帯持ってなくて…」

「ああ。電話しておくよ」

恵じぃは灯吾にもスイカを勧めたけど、灯吾は丁重に断った。

< 284 / 409 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop