キミノタメノアイノウタ
お腹も満タンになったところで、2人そろって木の下の大きな日陰で横になる。
「涼しいね…」
「うん」
風が吹くたびに木が揺れている。葉ずれの音が心地いい。
意気地のない私を叱咤激励しているような気がした。
「千吏…」
「なに?」
「昨日はごめん…」
「いーよ。気にしてない!!」
千吏はふいに起き上がって私に向かってイシシっと歯を見せて笑う。
千吏は驚くほどあっけらかんとしていた。
……最後の花火大会だったのに。
千吏は1ミリも私を責めなかった。