キミノタメノアイノウタ
「あの…昨日はごめん…」
そう謝ると、奏芽も同じように謝罪の言葉を口にした。
「いや、俺こそごめん…。瑠菜の気持ちも考えないで勝手に決めて…」
(……違う)
「謝らないで!!奏芽は悪いことなんてしていない」
全部私が、私が弱いせいだ。
……奏芽は見れたのだろうか。
夜空に輝く花火を。
……最後になるかも知れない花火を。
見ることが出来たのだろうか。
それがずっと心に引っかかっている。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
どんどん気分が落ち込んで俯いていく私に、奏芽が静かに問いかけた。
「あのさ…聞きたいことがあるんだけど」
「なに?」
顔を上げると奏芽は私から視線をそらした。
そして、意を決したように息を吸った。