キミノタメノアイノウタ

カレンダーは12月。

あちらこちらでクリスマスの浮かれた空気が漂っていた。

「こーら!!ケンカするなよ」

ギャーギャーと騒いでいた俺達をユキがたしなめた。

「これじゃあ、いつまで経っても決まらないよ?」

ライブまで時間もない。練習もしなければならない。

ユキは曲選びよりもそちらに時間を割いたほうが有効的だと暗に示していた。

ハルはふて腐れたように口を尖らせた。

「じゃあ、ユキが決めろよ」

キョトンとした瞳で見つめ返される。

侑隆はというと我関せずの態度を貫いていた。

「僕が?」

ホントにいいのかと俺に視線を送る。

俺はハルのやつは本当に大人気ないなあと思いつつ頷いた。

ユキはしばらく楽譜と睨めっこしていた。

やがて心が決まったのか、指を差した。

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