キミノタメノアイノウタ
「瑠菜、教えてくれよ」
……俺の歌を求めたのはお前だろう。
なら、教えて欲しい。
……俺はこの先どうしたら良いんだ。
何のために。
……誰のために歌ったら良いんだ。
どうか、教えて欲しい。
瑠菜は俺を慰めるように頭を撫でた。
涙が何度も頬を伝ってとまらなくなる。
俺はずるい。
本当なら自分自身で答えを見つけなければならないのに。
瑠菜に答えを求めている。
本当にずるい。
でも、もう限界だった。
ひとりですべてを背負うことが苦しかった。
侑隆はみんなが俺の歌を待ってるって言った。
でも俺はいつだってたったひとり、ハルのために歌ってきた。