キミノタメノアイノウタ

「届くかな…」

ハルに届くだろうか。

ずっと温めてきた俺の気持ちは、ハルに届くだろうか。

2人並んで手を繋ぐ。

深い色を湛えた海に願いをかける。遠くの空に想いを馳せる。

「届いたらいいな…」

……ハル。

……俺は歌うよ。

これから先もずっと、歌い続けていくよ。

「きっと届くよ」

瑠菜が頷く。

大きく息を吸う。

ハルのうたが紡がれていく。

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