キミノタメノアイノウタ
曲が終わると俺はその場に座り込んだ。
「歌え…た…」
最後まで声を出すことが出来た。
喉を何回も撫でる。
……ようやく歌うことが出来た。
「瑠菜?」
瑠菜を見ると感無量といった感じで、顔を押さえていた。
「すごっ…生歌すごくて…っ」
「なに言ってんだよ…」
……瑠菜が助けてくれたから歌えたというのに。
「ありがとう」
そう言って瑠菜の肩に頭を傾ける。
なんて言ったらいいかわからない。
ありがとう。
ありがとう。
何度、言っても足りない。
……ありがとう。