キミノタメノアイノウタ
「灯吾ちょっと来い」
タツさんの車で家まで送ってもらい、居間に着くなり侑隆が手招きをした。
俺は素直に侑隆についていった。
「ほらよ」
侑隆の部屋までやってくると、バサッとクリップで留められた紙の束を渡される。
「なんだこれ?」
「俺がここに来てから書き溜めた曲たち」
「こんなに!?」
紙束の厚みは軽く5センチはあった。
パラパラと捲る。歌詞こそついてないがどれも既に完成されている。
(すごい…)
「フラフラ遊んでたお前と一緒にするんじゃねえよ。俺はやることやってたんだよ」
部屋に篭って何しているのだろうと思ってたけれど、まさかこんなものを作ってるとは。
ひとつひとつに目を通していると侑隆から視線を感じた。