キミノタメノアイノウタ
「でも、瑠菜と過ごした日々が大切だから…」
所々錆びている自転車がキシキシと音を立てている。
「友達って呼べるようになるまで時間はかかるかもしれないけど…」
小石に乗り上げて、ガタンと自転車が揺れる。
「傍にいたいんだ!!」
私はうんうんと頷くことしかできなかった。
……伝わっていた。
奏芽にも私の想いが伝わっていた。
「うん…っ…」
奏芽の腰に回した腕に力をこめる。
涙が零れては後ろに流れていく。
キラキラと光っていた。
奏芽。
私はきっと忘れないよ。
奏芽の想い…絶対に忘れない。
その背中に頭を押し付ける。
……私も奏芽とずっと友達でいたい。
そう思った時、車体が大きく横に傾いた。