キミノタメノアイノウタ
エピローグ
「せーの!!」
3人同時に持っていた紙を引っくり返した。
奏芽が自分のものと千吏のものを見比べて落胆する。
「うわ…俺…千吏に負けた…信じらんねー!!」
「ちょっとどういう意味よ!!」
千吏がクシャリと模試の結果が書かれている紙を握りつぶす。
「そのまんまの意味に決まってんだろ。あーあ…もっと勉強しよ…」
奏芽がそわそわして私に耳打ちをした。
「瑠菜は?」
「えへへ。バッチリ!!」
判定が書かれている欄を指差して見せる。
“A判定”合格圏内の文字が踊る。
「いーな!!なんだかんだ言って一番真面目に勉強してるもんね」
千吏が私の成績表を持って羨ましそうに言う。